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三岐鉄道80周年記念「徹底解説!三岐鉄道」合本

前に3号続けて三岐鉄道の記事を連載した「Rail Magazine」について「よくやるものだ。」と書きましたが(8月31日)、本当に「よくやった!」のはこの記事を書かれた南野哲志さんだと思います。あらゆる車両からあらゆる線路、あらゆる刊行物や資料まで、南野さんの「三岐鉄道大図鑑」の日々の積み重ねがなければできなかった、鉄道ファンを唸らせる内容の濃い記事でした。

 南野さんからご案内の合本の内容は、次の通りで、現在予約を受け付けし11月から配布されるそうです。

「4回の連載+番外編ですが、一部再編集を行い、
三岐鉄道会長の日比義也氏の解説で、「三岐鉄道誕生実録」を追加しています。
■ 第1回:三岐線車輌編(333号)
■ 第2回:三岐線撮影地ガイド編 −貨物輸送・流通私有貨車の現況−(334号)
■ 第3回:三岐線見どころ・北勢線沿革編(335号)
■ 第4回:北勢線車輌・撮影地ガイド編(336号)
■ 番外編:三岐鉄道80周年感謝まつり(337号)
■ 付  録:三岐鉄道誕生実録
変形A4サイズ(297×232mm)、中綴じ全52ページ(表紙含む)、全ページカラーです。
1冊2,500円(税込)で、送料・荷造手数料は2冊まで200円です。
11月1日より販売開始で、予約受付中です。
貨物鉄道博物館でも取扱いますので、開館日にお求め頂けます。
※ 書店での取扱はありませんので、ご注意ください。
ご希望の方は、「三岐鉄道車輛大図鑑」HPのメールからご連絡をお願いします。
三岐鉄道車輛大図鑑」HP=http://www5c.biglobe.ne.jp/~n-craft/index/hobby/sangitop.htm
限定200部で、在庫が無くなり次第終了です。」

 三岐の利用者で沿線住民の一人としても、掲載されている車両や駅等の風景のひとつひとつを「懐かしい」と感じるとともに私鉄で貨物輸送を続ける今の姿を伝える記事からは「誇り」も感じています。「撮影地ガイド」や「三岐線の見どころ解説」は、実際に三岐を訪問して写真を撮ってみようという人に、事前にいろいろなプランを考えてみようという材料や利便を提供できるものと考えます。例えば、中部電力碧南火力発電所との間を往復輸送している炭酸カルシウムとフライアッシュの私有専用貨車があるわけですが、どういう経路で運ばれていくのかを事前に掴んだり、四日市港でバルク船に載せられるセメント便の経路には四日市港に残る近代化遺産・可動橋があることも、この記事は想い出させてくれます。
 ただ残念ながら、現在、三岐鉄道は台風によって朝明川橋梁が被害を受け復旧中であり、鉄道貨物輸送も中断しています。80周年のめでたい年になんと悲運な!と嘆きたい気持ちですが、昭和56年(1981年)に記念誌として発刊された「三岐鉄道50年の歩み」には災害の記録という記事があり、昭和25年のジェーン台風、昭和34年の伊勢湾台風昭和36年の集中豪雨、昭和45年の集中豪雨など数回にわたって被災し、昭和47年の台風20号では今年と同じように「青川橋梁」が傾斜してしまう被害も受け、三岐鉄道はその度に復旧し甦ってきたことを改めて想い起こさせます。近いうちに仮復旧できる見通しとの明るい報道もあり、早く貨物輸送を再開し元気になって欲しいと沿線住民の一人、「隠れ三岐ファン」の一人として切に願っている次第です。 

【追記】上の「50年史」は古本での入手も難しいかと思いますが、もうひとつの三岐鉄道を知る手軽な資料としてRMライブラリーの「三岐鉄道の車輌たち-開業からの50年」があります。今回の合本はこの続編でもあり、合わせて購入されるとよろしいかと思います。
 昔、黒四ダムへの膨大な量のセメント輸送で毎晩ものすごいブレーキ音がして、低周波振動で家が揺れる、挙句の果ては、大矢知駅の安全側線で貨物列車が突っ込んで、付近の民家の庭に機関車が鎮座しているシュールな姿を見たことがあります(写真を撮っておくべきだった!)三岐の名誉のために付け加えると、最近は近代化工事で新幹線並みにレールや路盤がしっかりしたものに交換されて、ありがたいことに音も小さくなり家はまったく揺れなくなりました。〈2011-10-30〉

三岐鉄道の車輌たち―開業からの50年 (RM LIBRARY(62))

三岐鉄道の車輌たち―開業からの50年 (RM LIBRARY(62))