修羅の日記(公開試運転中)

ダイアリーから移転しました

六甲ミーティングの集合式レイアウト 【2】

寒さのせいか、体の動きが悪くナガウラさんのコメントにお答えしたように、体の加減リンクが、がちゃがちゃと引っかかりスローモーに・・今日は上向きなので大丈夫!「陽だまり・・」のゆったり時間が流れていくような癒しの世界がいいなあ。最近の模型は切れが良すぎて、「曖昧さ」が許されなくなったような気がしないでもありません。(それこそ曖昧で抽象的な書き方しかできずにすいません。)

■またもやUさんのガソから。Uさんの作品の持ち味は、決してスケールがちがち、細密ではないけれども、どんな土俵の上でもエガーバーンのような模型らしい愛らしさを華っています。

■他のセクションと並べて、つないて楽しむ目的のものですので、当然のことながら両端の線路の位置などに制約があります。このセクションレイアウトの幅は300ミリしかないので、少しでも立体的に撮るためには、水面の高さまで目線を落として奥を見通して撮影します。

■水面と小さな木の橋がアイストップになります。アイストップとなるようなものを最初に決めてから、それより奥は、わざと小さく見えるように作って遠近感を強調します。実物のスケール・ダウンに拘泥してしまうと、奥行き300ミリでは足らなくなります。この後に幅を450ミリまで大きくして、線路の位置を奥にして手前の地面を下げることで遠近感を強調するセクションも試してみました。

■2003年の木曽モジュールクラブ(KMC)の規格は、スタンダードは同じ幅300ミリで、線路位置は奥から10センチの位置にとって手前に立体的なシーナリーを作るスペースや余裕を生み出し、遠近感の表現に成功した好例です。ただ運転面からみるとコーナーのモジュールでは大きな曲線半径をとれないという欠点(もっとも森林鉄道の車輌だけならあまり大きな問題でもない)もあります。軽便モジュールクラブ(KBMC)規格ではシェフさんたちが、林鉄のように手前に立体的なスペースを大きくとる必要もないということに対応して、ちゃんと修整されています。




■改めて大阪S・Kさんの味のあるタッチのイラストをNGJの機関紙JUNCTION旧号から反転・転載させていただきました。かつて六甲の山荘で行われていたミーティングで走らせて遊ぶために神戸・Nさんたちが考えた「集合式レイアウト」の規格。汎用性もあり「モジュール」と呼んでもいい規格だと思いますが、そこはスペースも限られているミーティングで使うという関係上、「集合式レイアウト」と表現されているのだと思います。

■その昔、1976年、1978年の2回に渡って開かれた元祖「軽便祭」で展示された集合式レイアウトがありました。SLOC("System Layout Owners Club"スロックと読むそうですが)と名前がつけられ、1978年2月の鉄道模型趣味誌に87.Precinctの名で発表された集合式レイアウトの規格。これは別の形で、後の木曽モジュールクラブの規格にも影響を与えていると考えられるのですが、六甲のセクションもサイズを300×900としたことや最小曲線半径をR200にした点などに共通点が見受けられます。
またNさんはこれ以前にも「ロッコー・ナローライン」(機芸出版社「ナロゲージ・ブック2」に収録)という分割式レイアウトをモデラー仲間とTMSに発表されるなどのご経験もあり、当時ナローのレイアウトづくりにすでに相当な知識をお持ちでした。(というのは実は後でU氏に教えていただいた話です。)





【左】接続部の詳細。接続用レールと「留め金」
【中】電気的接続のためのAV用コネクタープラグ。
【右】セクションを接続し、スムーズな運転を実現するための小道具。特に接続用レールについては、状態により±.何ミリのレールを使い分ける。こういうのもN氏の豊富な経験が活かされています。

■こういう経験の全く無い自分の作った「写真撮影台セクション」は、初回から列車を脱線させてレールの修整などを余儀なくされました。

■写真を撮ろうと取り組んだ集合式レイアウトでしたが、他のみなさんのものと繋いで様々な車両を走らせてみると、それはそれは刺激的な経験で・・・・。自分のROCOが走り回るわ、ほとんど動かしたことがないと思われるダックスが走ったり、仙台から蒸気動車が乗り入れて来たり、木曽のボールドウィンもバテロコも京大演習林も・・誰かの何かの手持ちの車輌が入り乱れ、動かして楽しむ、気に入った場所で自分の車輌の撮影をするなど・・集合式レイアウトの醍醐味を十分に堪能しました。

 



■極めつけはNさんのシェイ・ギヤード・ロコ!素晴らしい模型!集合式レイアウト上を快調に走り回ります。これが月刊「とれいん」1997年10月号で「六甲の山荘に集うナローゲージャーたち」という、まるで黒沢映画のタイトルみたいな題名の記事の一部になりました。東京から六甲までお越しになったK・M氏は、昼光色のランプに布製の折りたたみ式の傘がついた携帯用の照明セットを持参。まさに「鉄道模型撮影のプロフェッショナル」の気合いと仕事ぶり!を目の当りにした後、誌面を見て感動しました。
■このシェイのカットもシャッターを切る合間に、ファインダーを覗かせてもらいましたが、川の水面ギリギリまでカメラの位置を落として、やや見上げるような構図が新鮮に感じました。Nikonのカメラでレンズは確か50ミリくらいのマクロレンズだったと記憶していますが、ほんの数ミリの位置の差で「絵」は変わるのは模型撮影の面白さかもしれませんね。撮影がひととおり終了した後に、照明セットを貸していただいて、上のROCOとダックスの写真は自分がRTSⅢで撮らせてもらったものです。蒸気動車は別の日に初めてのデジカメ、リコーDC-3Zで撮影したものです。やはりプロの撮った写真とそのセンスは、自分のとは明らかに次元が違うと思い知りました。

■コラボレーション【collaboration】共同作業。共同製作、「コラボる」なんてことばは、あのころは一般的には使われていませんでした。(「六甲ミーティングの集合式レイアウト」完)