修羅の日記(公開試運転中)

ダイアリーから移転しました

六甲ミーティングの集合式レイアウト 【1】

■今日で阪神淡路大震災から17年の年月が経過したそうです。あの大震災の前後に、傍のものには見えない大変なご苦労があったであろう、六甲ミーティングに参加されていた皆さんに・・・。


■ピンホールやった後も懲りずに、またもやマルコム・ファーロウの真似をしたくて悶々と過ごしていました。愛用していたカメラ、コンタックス137MDクォーツとディスタゴンT*・レンズの組み合わせでも、露出補正とAEロックを駆使すれば、いろいろとやれるのはやれるのですが、マルコム・ファーロウがこの本で教えてくれる蒸機の煙をつくるトリックだけは、マニュアルで設定できないと具合が悪いため、ついに名古屋市栄の「カメラのさくらや」で中古のコンタックスRTSⅢを買ってしまいました。このRTSⅢは単3電池で駆動できる便利なカメラでしたが、何せ重いカメラで黒部峡谷や娘の運動会にもズームレンズを着けてカメラ専用のリュックに入れて持ち歩きましたが、はっきり言って模型の撮影以外は「疲れるカメラ」でした。

■このころの自分は、juniorさんの誠に鋭いコメントにあるように「模型撮影趣味の為に模型を作ると言う、本末転倒的な状態になっていた。」のだと思います。


■とにかく、やってみたいのは「蒸機から煙がでている絵」を多重露出で撮影すること!
そのために当時、たまたま神戸の六甲で行われたミーティングでNさんから「やってみませんか」と誘われたレイアウト・セクション用の台枠を譲り受けて持ち帰り、受けを狙って、あえて「和」のシーナリーに挑戦することにしました。(「バカだね、まったく!」)

■300×900のサイズで手前から5センチの線路という条件で、遠近感を付けるために線路を奥に曲げて、台枠を切りこんで下げ、スタイロフォームの積み重ねを鋸などで削りながら、基礎工事を終えました。レールはPECOのHOeフレキシブル・レールが指定されており、これをスパイクで止めていきます。これより後に作った「むらむら・じおらま」と作り方は、ほぼ同じなので作り方はそちらを参照していただきます。
「むらむら・じおらま」へのリンク

■なお「田んぼ」は例の懐かしの「摂津鉄道方式」!ボール紙をそれらしいデッキタン+黒色で塗った後にミシンではなく手縫いでベージュの糸を通して裏からボンドで固定した後に表の糸をカッターナイフで切っていく、というやり方です。

■カメラに詳しい人に、2枚の画の縦横比が違うのを気付かれそうなので書きますが、RTSⅢの中古の他にPENTAX645も買って散財してしまいました。中判なのに使いやすい、とても良いカメラと明るいレンズなのですが、絞っても被写界深度がとれず模型の撮影にはほとんど使いませんでした。今も眠っています。あーもったいない。

■このサイズだと持ち出すのも楽で、食卓のテーブルの上で子どもたちの「おもちゃ」の仲間入り。「頼むから機関車を引き摺るのだけは止めてくれよー」。それにしても上がもうすぐ25歳で、下が19歳になったので、あれから何年経ったのやら・・。

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■当時U氏に「よく走る」と聞いたROCOのHOeの機関車を塗装して撮影に使ってみました。煙は、綿を墨汁X20割に漬け込んで黒くして乾かした後、ネジってそれらしくしたもの、(上左×写真)の8割ぐらいの時間、露光させたものでもとの形はおわかりになると思います。(上右×写真)半分くらいではまだまだ煙が薄くしか映らない。3分の2くらい写し込んで、さっと綿を引き上げると左のように「それらしい写真」になります。今ならフォトショップのレイヤーに置き不透明度のバーをいじれば、あっという間にできてしまう絵なのですが、当時は写真屋にプリントして写真になるまでどう映り込むか解らないので、職場に出入りのサンカメラのオヤジさんに「私用」で朝に頼んで、仕事が終わる夕方に届けてもらうまで楽しみに待っていました。

■そうそう、照明は前にも書きました通り、サンカメラのオヤジさんから300W (色温度3200°K) の写真電球を3つ買いました。ひとつは前から、ひとつは背景の上から、3つ目はアームで吊りトレーシング・ペーパーを前に包み光を柔らかくして上から当てています。また色温度変換フィルターを使い、焼き増しのために普通のASA100のネガ・カラー・フィルムを使いました。

■当時、Nゲージ以外は数年間アメリカ型ばかりやっていたので、ゲージ9ミリのナローの車両は何も持っていないため(車両が1台もないのにレイアウトが先にできるなんて・・)、撮影用に急遽、U氏からTMSの記事にもなった自作のKATOポケットライン動力のガソ101を送ってもらい、ディスタゴンT*35ミリレンズをRTSⅢに着けて撮って見ると、ガソの色が風景に溶け込んで、下の写真のように、とてもいい感じになりました。水辺でウッドランド・シーニクスのフィールド・グラスが良く効いています。また「ぽちっ」と拡大していただくとガソにはお客さんの姿が・・。どうも蒸機の黒よりもガソリン・カーやディーゼル・カーの鮮やかな色の方がいい写真がとれるのでは、とも思いましたが・・。いやいや。

■「六甲ミーティング」で実際に他のセクション・レイアウトとつなげると、またもや、それどころではない刺激的な絵が撮れることになります。(つづく)