■交通量の多い国道8号の道路橋、新幹線のコンクリート床板を連ねた橋の間に背も低く控え目にある橋。琵琶湖に注ぐ愛知川の河口近くにあり橋全体の長さは239mと相当長いが、10スパンのうち9スパンのプレートガーダー、一番東のこの橋だけがポニー・ワーレントラスである。
ポニートラスなので、上部は開いており小ぶりでさほど目立つ橋ではないが、歴史的にはきらりと光る鉄橋である。見てみると、リベットよりも主要な荷重がかかるところにピン接合を多く使っているせいで、かなり古い感じがする。ワーレントラスの定義は主要な鋼材をX字にするのではなく斜めに渡したものだが、上部から主桁を鋼材で吊っているところは、あまり見たことがないし、相当荷重がかかるので大丈夫かそうか、少し心配になる。
■小さいながらも歴史的価値は高い。明治31(1898)年7月24日愛知川〜八日市間の開通に合わせて建設。鉄橋の設計者は白石直治(しらいし・なおじ)、那波光雄(なは・みつお)である。白石は関西鉄道(現在JR関西本線)の建設に携わり、社長となる、土木学会の会長にもなった著名な設計者である。そののちに近江鉄道に転じ工事監督者として活躍した。なお那波も土木学会の歴代会長のリストに名前がある。製作したのはイギリスのハンディサイド社。平成20年(2008年)に国の重要文化財になった。
■参考文献、参考HP:
- 作者: 三宅俊彦
- 出版社/メーカー: 山川出版社
- 発売日: 2009/09/08
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http://ktymtskz.my.coocan.jp/kansai/kansaisen3.htm
■土木学会歴代会長
http://www.jsce.or.jp/outline/chair/chairman.html
■ハンディサイド社(Andrew Handyside & company)
http://en.wikipedia.org/wiki/Andrew_Handyside_and_Company