修羅の日記(公開試運転中)

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「生野越え」播但線生野駅、工臨来る


「長谷の大カーブ」から北上し、生野駅に到着しました。青く塗られた木造跨線橋が眼を惹く、新たに2009年に完成した西口駅舎には朝来市観光情報センターが設置されています。線路をまたぎ東口の駅舎前にはロータリ―まであって、銀山華やかなりしころの街の繁栄がうかがい知れます。
 特急「はまかぜ」も過ぎ去った後だし、ホームで「しばらく列車は来ないなあ」とつぶやいていたら、甥が「おじさん、貨物列車が登ってきたよ。」と言うので新井方向を見ると、排気で空気をゆらゆらさせながら、DE10とホキ800型貨車6両が、まさに生野駅の北側25.0‰の播但線最急勾配を「登ってくる」ところでした。甥によればバラストの散布する作業でDE10とホキ800は定番だが、臨時列車なのでいつ走るか前々から決まっているわけではなく、実際に走っている写真を撮るのは難しいそうです。乗務員の人がホームの水道のところで休憩をしていたので、話をききました。この列車は普段は豊岡の車両基地に留置、バラスト寺前駅で積んで作業を行うとのことでした。工臨列車を牽くDE10 1106は1970年ごろに製作されたらしいのですが、新品のように光り輝いていました。

 ところで、訪れた時にはなぜ工臨列車が珍しい右側通行だったのか、不思議でしたが、後で読んだウィキペディアにはきちんとした説明がありました。「鉄道では全国的に珍しい右側通行となっている。新井(にい)方面からは上り勾配となっていて、新井方面から見て駅構内は左側にカーブしており、さらに左側分岐であるため、左側通行では勾配途中で分岐制限を受けてしまうので、蒸気機関車はホームへの停車が困難だったからである。」なるほど!上の画像を見ると望遠で強調されて見えるが本線がカーブしている上に左分岐が急角度で別れているように見える、これも後で調べると生野駅の南がサミットで、駅構内も勾配がついているようです。特殊な例ではあるけれども、鉄道模型でも右側通行もあり、ということですね、もっとも鉄道模型車両が脱線しやすいのは、こういう場合よりもS字の急カーブのケースの方かな。
 103系のいた寺前駅バラスト積みこみ用の設備の写真、ヘッドライトを点灯したキハ41両運転台仕様のいる線路が工臨列車用がバラストを積み込むための線路、右には積み込み設備とダンプカーが入るための車路がある。
 
工臨列車 豊岡の車両基地のDE10 1106(福知山支社)とホキ800(福知山支社寺前駅常備)