修羅の日記(公開試運転中)

ダイアリーから移転しました

勾配に挑む鉄道。スイッチバックの篠ノ井線姨捨(おばすて)駅と冠着(かむりき)トンネル

 甥の撮ってくれた写真から、いきなりの難読地名です。(笑)わたくし的に「勾配に挑む鉄道」にとても魅力を感じています。三重県内には関西本線の加太トンネルや中在家信号所のスイッチバックがありますが。それを初めて知ったのは友人宅で読んだ機芸出版社「鉄道模型趣味」の河田耕一さんの記事(「シーナリーガイド」という本に再録されています。)です。13歳で「中在家」を知り急行「かすが」の車窓からスイッチバックの信号所を見て以来、いつか「スイッチバック」の模型をつくってみたいと思っていました。スイッチバックの退避線に重連蒸機の貨物列車を待たせてキハ82系の特急かキハ58系の急行が対向する風景は自分と同じ年代のモデルマニアなら一度はあこがれて夢見る光景かな。レイアウトのプランニングで長手方向にスペースをとるスイッチバックの処理は非常に難しいのですが、日本型でもアメリカ型でも欧州型でも「○○越え」とか「補機」「重連」とか・・そういう言葉に反応してときめいたり、高度があって、厳しい自然に挑む鉄道に魅せられてしまうのは、この辺に自分の趣味の原点があるのかもしれない。






 ここ姨捨駅の車窓から見る景色は、やはり素晴らしい。ホームの案内板の内容を転載します。
「この姥捨駅は全国でも珍しいスイッチバック式停車と列車給水の駅として明治33年(1900年)11月1日に開通する。
 善光寺平の眺望そして鏡合山から上る月がゆるやかに里に続く棚田や千曲川に映える美しさは古来夜いこの地を田毎の月と呼んでいる。
 姥捨公園長楽寺境内には名月に感動し更科紀行で詠んだ松尾芭蕉をはじめ、高浜虚子、宗祇法師などの句碑が建てられています。
 またこの姥捨駅の近くを走る國鉄は、9つの駅を眺望することができ、特に夜景は素晴らしく、日本三大車窓のひとつに数えられています。(原文)」
姨捨駅の構内の先には66.7‰の急坂を持つ避難線があります。道路や駐車場で分断されていますが、終端が上りになっているのがわかります。今更ながら6パーセント以上の勾配は相当な登りに感じます。本線は姥捨の南の冠着トンネルを含め25‰の坂であり、貨物列車など重量のある車両には現在も難所であることには変わりありません。


↑「冠着越え」姨捨駅の脇を善光寺平に軽快に駆け降りる383系特急「しなの」です。