修羅の日記(公開試運転中)

ダイアリーから移転しました

はじめてのジオラマ(車両展示台)撮影〜RGSのグースと給水タンク

■この写真には、お遊びで次のコメントがついています。(まったくおバカなものでお恥ずかしい限りですが)
ビル:おい、えーかげんにどかんか。 
ピーター:まあ、まったれや、いつもスケジュールはフレキシブルやで。
ギース:があ、があ、があ(池が干上がったんは、あんたらが水汲むからやで)

■1993年の11月に撮影したものを改めてスキャンしました。初めて作ったストラクチャーとシーナリーの付いた車両展示台です。このころはジョン・アレンを真似てHOのスタンダードと3フィートの両方が楽しめるレイアウトを作ろうと方眼紙に何枚もプランを描いて模索していた時期でした。両方とも楽しもうというのは、どうも無理があるようで、「あちらがよければこちらだめ」みたいなことばかりで、なかなかいいプランが浮かびません。そんな時に鉄道模型趣味誌で「ナローゲージ・ジャンクション」というナローゲージの模型を楽しむ集まりのことを知り入会させていただいたのを機に、HOn3(1/87、10.5ミリ)の模型に軸足を移していきました。またMさんから国際郵便での海外通販の方法やお店の紹介などのご指南を受けることができました。

■240ミリ×450ミリという小さなものですが、初めてのハンドスパイクに苦労したりしながら、先に記事にした「むらむら・じおらま」と、ほぼ同じ方法で地面を製作しました。給水タンクはデュランゴ・プレス社のキットを組んだもの。バスウッドや紙とホワイトメタルで構成されたアメリカ製のストラクチャー・キット、所謂「割り箸キット」の組み立てにようやく慣れてきたと思えるころのものです。ここに至るまでにキャンベルの高価なキットを何個おシャカにしたことか・・。例えばバスウッドを実際の木材の色に染めるのにつまずく。最初は墨汁を水で薄めてやってみたが、だいたいは薄め方が足らず真黒になるし、乾かない・・あげくのはてに反ってしまう・・。教えてもらったアルコール割やアクリル塗料の溶剤X20で割って染める方法で、やっと良い調子にたどりつく。またバスウッドを正確なサイズで組み上げるのは意外に難しい。本当に何から何までトライ・アンド・エラーの繰り返しでした。

■できたジオラマを誰かに見せたくて、とりあえずNGJの機関紙に投稿したくて撮影をする。これも難関。当時はデジカメなんかありません。「マクロ撮影」のことを調べたり、また困った時のMさん頼みで手紙で何を買ったらできるのか質問をする。またMR誌の特集のデイブ・フレイリーやマルコム・ファーロウ、ジョン・オルスンの記事をみるが、あまりにハイレベルで面喰ってしまった。その時によく使っていたのは写真のヤシカCONTAXの137MDクオーツ。このカメラは東京に出向で勤務していた頃に、中野ブロードウェイ商店街のカメラ店のショーウィンドウにあった新古品で、その姿に惚れて買ったもの。ツァイスのレンズ2本をバッグに入れて新婚旅行に持っていったりとか、絞り優先・フルオートの機動力を活かして役に立つカメラでしたが、マニュアル撮影ができないので模型の撮影には、全く向いていないカメラでした。

■ともかく、このカメラで・・。照明など持っているわけがなく、家の中で日当たりが良い場所で構えてみるが、背景がないと全然サマにならないので、急遽子どもの水彩絵の具でスチレンボードに漫画みたいな絵を描いてみる。絵が描き終わったら、時刻はもう16時で太陽光線は横から降ってくる。「まあ。最初だから、いいや」と撮影を強行してガチョーンと撮ったのが件の鵞鳥の写真です。職場に出入りするサン・カメラのオヤジさんに頼んでプリントができてくるまで、ちゃんと撮れているかどうかわからない。結局フィルム2本50カット撮って使えるのは4、5枚というところでした。一番問題なのは「被写界深度」でピントが薄いとサマにならない。絞りは一杯、そうするとシャッター速度は何秒って単位で、ブレやすくなる。という当たり前のことが素人がやってみると壁になって立ちはだかるのです。

■当時はこの写真が限界。何かものすごく悔しくなって、この後サンカメラのオヤジさんに相談して写真電球とスタンド、がっちりした三脚、中古のRTS3と中判カメラのペンタックス645、マクロレンズ、色変換フィルターなどのアクセサリーなどを思い切りよく散財して揃えていきました。それと比べれば、最近のモデルライフはいいですよねー。すぐにメールで誰か教えてくれるし、参考になるHPやブログがあったりする。デジカメはあるしフォトショップってソフトもある。昔のプリントでは×だったものも、フォトショップで使える画像になりますね。全くもって・・。この間のNゲージ・マガジンのようにレイアウトもその写真(画像)も驚くほどレベルアップしています。一体全体、あの悔しさと散財は何だったのか!?自分の栄養にはなったとは思いますけれど。荒っぽくいえば「趣味」とはたいがい、そういうものかもしれませんね。 

■で、この写真でもって機関紙JUNCTION15号「レールカー特集」(1994夏)に投稿させていただきました。このころのJUNCTIONはコピーで写真はサービス判を添付、あとで糊で貼って楽しむという、とても「贅沢なつくり」。編集していただく方には本当に御苦労をおかけしていたと思います。
【追記】この「レールカー特集」で日本車両の単端とRGSグースが親戚だということを知りました。共通するところは駆動する仕掛けがフォードV8、シボレー、ピースアローとか自動車のエンジンということですか。(2012-1-4)





■せっかくですから、写真帳からもう2,3枚スキャンして、フォトショップでぎりぎり露出の調整。これらは、光の具合が悪かったりして使えない写真だったのですが、何とかなるものですね。余談ですが先日、電器店の安売りでPCの要らないフィルム・スキャナーを買ってきましたが、ちゃんとした色がでません。ありゃだめです。買うのならもフィルムもスキャンできるCanonのフラットベット・スキャナーにすればよかったと後悔。
■それにしてもBlackstone社製品のおかげで日本でHOn3やる人が増え、大好きなRGSの話がわかる人が増えるだけでも嬉しいです。グースの話を書くつもりが、新年早々、「楽屋落ち」みたいなボヤキになってしまいました。ごめんなさい。