修羅の日記(公開試運転中)

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「むらむら・じおらま」第4巻「木をつくる」

■今年、公私ともに雑事で忙しい中ですが、木曽赤沢へ2回も行ってしまいました。中央高速を使ってうちから2時間半。ちょうどよいドライブコースです。
■木曽赤沢の木は下刈り、枝打ちなど手が入り、幹は気持ちが良いぐらい真っ直ぐ。殺菌・浄化作用があるというヒノキの香りは格別。娘たちと川岸でお弁当を広げながら、おいしい空気を吸い、すっかり木曽谷の虜(とりこ)になってしまいました。
■「木曽の五木」とはヒノキ、サワラ、ネズコ、アスナロコウヤマキだそうですが、その間の広葉樹ナナカマドの紅葉やシイ、ナラなど豊かな植生が風景を形作っております。そういえば娘たちは特大のどんぐりを大量に拾ってご機嫌でした。
■赤沢休養林は伊勢神宮遷宮用備林として保護されてきた貴重な資源です。蛇足ながら復活した森林鉄道は観光用ですが、かつての木曽森のムードがたっぷり楽しめます。赤沢の案内は上松町のホームページを参照ください。













■ところで木曽赤沢休養林の主役であるヒノキ、これが今回やってみたかった試作のテーマです。
■木曽を代表する「ヒノキ」など針葉樹をドライフラワー化したカスピア(陰干し2年ものですぞ)で作ります。
■幹をつくります。材料はヒノキ丸棒、割り箸ラワン丸材、バルサなど、使えるものは一杯在ります。
■デザインナイフでテーパーをつけます。柔らかい材料ならドリル、チャックに加えて木工ヤスリでドリルレースという手もあります。(左�)
■ヤスリの肩を利用して筋をつけた後に、墨汁のX20割に付けぬぐいます。(左��)
■キリで穴を開け、カスピアの葉を差し込んでいきます。カスピアは花の残っているものを使います。(左�)順に下へ大きなものを差込み、その都度瞬間接着剤で固定します。(左��)
■エアブラシで濃い目のグリーンを予め吹いておきます。あまり幹にかからないよう注意します。(左�)
■スプレー糊を使い、やや明るめのパウダーを固着、ボリュームを増やします。(左��)






ジオラマへ差し込むためには、幹に爪楊枝を植え込みます。手前に2本植え込んだところ、下の方がそのままでは寂しいため、エポキシパテを利用して根の張った感じを表現してみました。あとは茶系パウダーでごまかしました。
■木は、その場所によって、季節によって異なります。根から一杯養分を吸い、葉を出し、そして葉を色褪せながら、ある物は葉を落とし、また次の1年に備えるという「循環のサイクル」。これこそが四季の表現の要点です。
●内輪でHPの内覧会をしたところ、Kさんより「枝振りがヒノキと若干違うが、針葉樹らしく見える」とのコメントをいただきました。専門家の目はごまかせん。キリで穴を空ける時に若干斜めにし、上向きにするとカスピアの花の重みによる垂れが防止できそうです。ただ小枝の付きかただけは・・・だれかカスピアの品種改良をしてくれない(笑)。
実物の観察研究を積み重ねて、もっと生き生きと見える樹木を作りたい、と考えております。悪しからず。(1998年12月20日記)

【追記】■このHPの後、シーナリー材料はガゼット誌の広告で知ったシ―ニックエクスプレス(Scenics Express)に直接注文することが多くなり、針葉樹はスーパーツリー(Super Tree)の枝を割り箸で作った幹に上の要領で差し込み、ノッホのファウリッジ・テクチュア・ファイバー(Foliage Texture Fiber)を指でほぐしながら枝に固着という方法をよく使いましたが、「むらむら・じおらま」を改めてみると「カスピア」の樹木もなかなか捨てたもんじゃないですね。
シーニック・エクスプレス通販サイト(Scenics Express) http://www.scenicexpress.com/
■赤沢休養林のある木曽郡上松町の観光案内はこちら。休養林は整備されていてとてもきれいです。最近足を運んでいませんが、今の時期、細い道に観光バスが頻繁に通行するので要注意ですね。それにしても紅葉の中走る北陸重機DLはとても絵になります、「赤沢休養林」は後に整備されたものとはいえ保存鉄道としても一流ですね。ブログをみると今が紅葉まっ盛りみたいで「思ったより早いな」という感じで、すぐにでもカメラ持って行きたくなりますね。
 今年は11月6日まで営業だそうです。それを過ぎると誰もいない静かな場所になります。さらに王滝村や滝越あたりまでいくと、紅葉は10月中に足早に過ぎ去り、陽がでていても11月になると急に肌寒くなります。〈2011.10.18>