修羅の日記(公開試運転中)

ダイアリーから移転しました

十和田観光電鉄と池上線

■ひと月も経ってしまいましたが、またもや甥が4月初頭に春休みの乗り鉄旅行で東北へ行き、その成果を撮影した画像を説明して聞かせてくれました。爆弾低気圧でたいへんな目に遭いながらも、弘南鉄道十和田観光電鉄、復活した三陸鉄道などに乗車。おみやげは3月に運行を廃止した十和田観光電鉄、「とうてつ」の切手シートです。

十和田観光電鉄といえば凸電がらみでそちらも触れたい話題ですが、僕にとっての一番は学生時代に東急池上線の久が原に住んでいたので、モハ3603(元東急デハ3650形3655)!この形と緑色の車両を見ると涙が出そうになった。偶然、久が原時代にお世話になった模型店モデルエースを懐かしんでいた時だったので、びっくりするほどのタイミングの良さ。電車自体は「やぶにらみのニャロメ」のようでそう格好がいいとは思わないが、ただただ懐かしいのです。この電車がついこの間まで十和田観光電鉄では現役だったのだ。

■学校への行き来で使う五反田の高架ホームの上は、今にも風に飛ばされそうでしたが、ごろごろと走る池上線の電車は東横線田園都市線ステンレス車体の電車よりは、いかにもワンランク下で、目蒲線よりも下、最低ランク!なのだけれど都心の電車にしては、洗足池や池上本門寺などの名所も抱えてローカル私鉄の哀愁みたいなものがあり、「池上線」なんて歌まで出て話題になった。シンガー・ソングライターの歌なのに演歌みたいだと、当時は気に入らなかったけれど、今は「カラオケ向きのいい歌」と思いますね。

■うーん、絵が池上線じゃないのが残念!この歌の出だしは、「♪ 古い電車のドアのそば、♪二人は黙って立っていた・・♪」(作詩:佐籐順英 作曲:西島三重子)とか、二番の「商店街・・角のフルーツショップ・・」とか、いかにも池上線や久が原にありそうなシチュエーションで胸がきゅんとなりますが、「古い電車」ですぜ!「古い」!「旧い」ではなく「古い」ということはボロいという意味が含まれますよね(笑)。



■池上線の話ばかりになってしまいましたが、というところで本題!甥の撮影してきてくれた廃止後の十和田観光電鉄

■七百(しちひゃく)駅というところに凸電や懐かしい元東急の車両がたくさん留置されていたそう。

■甥によればステンレス製の車両は結構新しいもので、このまま廃止は勿体無いよね、と言っていた。昔の池上線の写真をお持ちの方、コメントくださいネ。






■「十和田市駅」再開発でここまで投資したのになんだか可哀想な感じです。こういう姿を見るにつけ、地方の急激な人口減少、急速に進む高齢化を背景に、日本の鉄道インフラが急激に衰弱しつつあると感じます。要するにほとんどの地方私鉄は2世代にわたるベビーブーム世代の学生の通学定期収入やバブル期には不動産収入に頼っていたのではないか、その貯金が無くなって、この2、3年の不景気でまた萎んでいくような気がしてなりません。

■残念なのは田舎では高齢者が移動する手段として鉄道が向かないと思うこと。車、介護用のタクシーや低床式バス、リフトバスなどの移動手段の機動力にはかなわないと思います。趣味としては「鉄道」を贔屓しますが、移動手段としてネットワークを維持するために我々が負担しなければならないコストを考えると、「鉄道」の将来に悲観的にならざるを得ないです。

■にしても、田舎の鉄道は、どこもかしこも寂しい姿になっていくなあ。

【追記】2012年ゴールデンウィーク中の5月3日・4日、上記の七百駅でとうてつ車両展示会・車庫公開が行われるそうです。急に姿を消した十和田観光電鉄だけにファンの人はうれしいだろうね。自分は凸電と緑電車がみたいですね。 十和田観光電鉄ホームページ