修羅の日記(公開試運転中)

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石榑(いしぐれ)トンネルと近江鉄道新八日市駅

 今年3月に開通した三重県滋賀県の県境を越える「石榑トンネル」。自分の家の前には滋賀県近江八幡市に至る八風街道があり、街道はこのトンネルにつながっています。江戸時代にはこの道を近江商人が行き来し、商品だけではなく、文化や情報をもたらしたと伝えられています。
この街道は現在は桑名市を起点とする国道421号に再編され、トンネル開通前は県境である鈴鹿山脈を越える石榑峠は「酷道」と言われ幅が2メートルを超える車両はブロックされ、車で対向するのが非常に難しいため、通るのはバイクのツーリング族か車で肝試しする物好きくらいのものでした。
 こうした状況を改善する石榑トンネル]は2011年3月26日に開通した全長4,158mのトンネルです。今日は、久しぶりに最高気温が30度を割って涼しい風が吹き、空気が澄んで鈴鹿山脈がくっきり見えて、抜けるような青い空。体調も午前中は良さそうなので久しぶりに車のハンドルを握りました。

3年前ぐらいから、近江鉄道の地方私鉄らしい鉄道風景が気に入って、時折、お天気と体調が良い時に、県境を越えて写真を撮ったりしています。石榑トンネルを使い永源寺経由で八日市まで家から1時間くらいで到着しました。これは何とも近くなったものだと感心!急なカーブが連続する蔵掛峠で彦根に向かう国道306号や名神高速道路の関ヶ原に抜ける365号に比べて、20分位は短縮できるのではないかと思われます。
 今日は木造駅舎「新八日市駅」を訪ねてみることにしました。近江鉄道の新八日市近江八幡間は湖南鉄道として大正2年(1913)に開通、昭和4年には八日市鉄道となり、この建物はその本社として使われました。二階建てで壁は下見板貼り、2階はダブルハング・ウィンドウ(上げ下げ窓)で立派な洋館建てです。近江鉄道の駅でも鳥居本駅と並んで、現役でありながら、もはや貴重な文化財です。ただ御覧の通り、塗装がはげて傷みが激しいのが気になります。


 電車が去ったあとはお昼前で静か、しばらく下りのホームのベンチに腰掛けて建物を眺めていました。本当に素敵な建物で見ているだけで癒される感じがします。
 この建物ができた当初はホームの高さは低い位置だったのかどうか?よくわかりません。ホームの屋根の下は琵琶湖からの風が通って涼しい感じ、すっかり秋のお天気です。
【参考資料】

駅舎再発見 時代の姿をとどめる駅舎を訪ねて (JTBキャンブックス)

駅舎再発見 時代の姿をとどめる駅舎を訪ねて (JTBキャンブックス)