修羅の日記(公開試運転中)

ダイアリーから移転しました

時計が止まったような空間〜養老鉄道養老駅


■昔、娘たちがまだ小さいころ、お弁当持って遊びに出かける行き先は木曽三川公園、海南こどもの国、と養老公園が、お金がかからないこともあってベスト3でした。
養老公園はその中でも電車でアクセスしやすいこともあり、「養老の滝」「有料の遊園地」、「公園」、夏は「プール」「水遊びできる川」、のちには「養老天命反転地」となんて名称のどでかい芸術作品まで・・今も、とてもバラエティに富んだ施設です。

養老鉄道は今年で99年、来年は100周年を迎えるそうですが、昔から「養老の滝」という観光地の玄関口である養老駅はそれなりの気品をもった建築で、誰もが懐かしいと思う設えを持った駅です。
■正面の立ち姿でまず目につくのが屋根のドーマーと尖がった槍のような飾りで、洋風であることを主張しているのですが、車寄せの部分の屋根は入母屋、建物横に回ってみるとここでも入母屋。結局、ドーマーと尖塔以外は、さして珍しくない標準的な和風の設えの駅であることがわかります。いや標準的といっても最近はこういう駅らしい駅も極めて少なくなってきているので貴重なものです。






■「養老の滝」にまつわる伝説は親孝行の息子の話、滝の水が酒になりそれを詰めたのが瓢箪。瓢箪は養老のシンボルでもあります。
■ところで「養老の瀧」という居酒屋チェーンがあり、学生時代に高田馬場店は馴染みのお店でしたが
名前からてっきり中部地方と縁があるのだろうかと勝手に想像していましたが、1号店は横浜だそうで件の伝説にちなみ「親孝行」を社是とされているそうです。それにしても競争の激しい業界でよくも生き残っているものだと感心する企業です。







■この養老駅を魅力的にしているのが喫茶「ちとせ」とそれに付随する旅館千歳楼の土産物屋!!なかでうろうろしていたら、お店の人としばらくお話。これだけ「変らない」のも珍しい。ただ売っているものは少しづつ変っているそうです。お土産にしたのは木彫りの瓢箪のお守り。瓢箪がネジでぱくりと開き小さい瓢箪が5個、合わせて6個で無(六)病息災だそうです。

■2年前にはまだタクシーの詰め所があったのですが、無くなってしまいました。このタクシーの詰め所も典型的な昭和ムードのストラクチャーで模型でになりそうな形だったのですが・・。

養老駅のような古い駅舎の中でベンチに腰かけて電車が来るまでの静寂を楽しんでいると、とても気持ちが落ち着きます。この際に杉崎行恭氏の「日本の駅舎-残しておきたい駅舎建築100選 」(JTBキャンブックス)をAMAZONを通して中古本で手に入れました。下の「駅舎再発見」と合わせて古い駅のカタログを楽しんでいます。
■病気が治り長距離を運転するほど元気になったら、遠くのローカル線に足を延ばして古い駅舎を訪ね、穏やかな時間の流れを味わってみたいと願っていますが、「残しておきたい100」のうちすでに何件かが無くなり、これらの駅舎壊されないで何件残っているか?

【参考資料】

駅舎再発見 時代の姿をとどめる駅舎を訪ねて (JTBキャンブックス)

駅舎再発見 時代の姿をとどめる駅舎を訪ねて (JTBキャンブックス)