修羅の日記(公開試運転中)

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「むらむら・じおらま」第2巻「地面」


■いよいよ佳境に入りました。待望の地面づくりです。ここまで来たらフィニッシュまで一直線です。
■先に材料と道具を左に上げました。「ミラコン」は乾燥しても粉っぽくしょぼしょぼした感じが大好きで、多用しております。
■茶漉しで振りまいたり、スプーンで置き筆でならしたりしたあとに、スプレイヤーで静かに霧吹きします。十分水分を行き渡らせた後、バターナイフ等でなぞると、岩のようなつるっとした表面になります。濡れた後に、もう一度茶漉しで振りまくのも効果的です。
■全部にミラコンをかけずスタイロフォームの地膚を生かして岩場になるところやパウダーを中心に表現するところはそのままにしておきます。要するにテキトーで結構です。あとは十分乾燥。
【追記】商品名「ミラコン」、石粉粘土はプラスターと同じように使うのが本来の方法なのですが、写真で見ていただいたように、粉のまま振りかけてスプレイヤーに台所用中性洗剤をまぜて霧吹きしては「茶漉し」で撒くと、「ざらざら」の地面になります。ある程度固着できたという段階で掃除機で吸い取ります。掃除した後「ミラコン」は乾燥するとやや白っぽくなるので、アクリル塗料の「バフ」、道など踏み固めたところには「デッキタン」をエアブラシで吹くと落ち着いた色合いになります。「ミラコン」がなければプラスターのふりかけでも粒が細かいのが難点ですが代用できると思いますが、「ミラコン」やプラスター(石膏)は粉の状態では絨毯に落ちると、とても厄介なことになります。掃除機はダイソンなどの最新型ではなく紙袋に吸い取るものが便利。嫁に「新しいのを買ってやる」と言って専用のものを持っておくと家庭内のトラブルが回避できます、レイアウトの清掃には、車用の充電式も持っていたほうが良いと思います。性能のいい掃除機はフィギュアやアクセサリーを吸いとったりするので要注意。ウォルサーのカタログなどに便利なレイアウト清掃用のアタッチメントが販売されています。使ってみると穴が開閉でき吸気圧を調整できるのでとても便利です。



【追記】箱を捨ててしまったので、この掃除機につけるアタッチメントの名前がなかなか思い出せなかったのですが、発見!「Miniature Vacuum Kit」だそうです。Micro-Markで$11.40でした。




バラスト、石類の固着です。固着の方法は、古典的なボンデット・バラストです。
バラスト固着前に、ジオラマ全体にタミヤのアクリル塗料、バフを吹き色を付けておきました。
■スプーンでカップに入れたバラストをとります。フレキ線路の場合は、線路の中に入れる量は、多すぎないよう注意してください。平筆で形を整えるとともに、量を調節します。ちなみにフレキシブルレールではなくレールをスパイクした線路は、枕木の間が抜けているので、こういうときは楽です。
■スプレイヤーに中性洗剤を混ぜた水を入れて吹き、予めバラストを湿らせておいて、ボンド希釈液をまきます。
バラストはNゲージ用のもっとも細かいものを使用しましたが、細かいものほど水によって玉ができ、レールや枕木にバラストが乗ってしまったりします。中性洗剤はそれを防止するためですが、うまくいかなくても慌てないことです。ある程度、乾燥してから、ティッシュで取ったり、乾いてからドライバーの先で除去できます

【追記】バラストのダマ防止は「中性洗剤」の中に含まれている洗剤ではなく「界面活性剤」の効果です。それでもN用は粒が小さくて、スプレイヤ−を吹いた圧で崩れやすいですね。レールについたりしたものは上記のように十分乾燥してからドライバーで除去します。北勢線など近代化ナローで「本線」ものではある程度きちんとした形を整えたバラストの「肩」が欲しいですね。








■ウッドランド・シーニックスのロック・デブリスを使い、がけの崩壊した感じを表現します。エルマーグルーをたっぷり塗り、3種の大きさのデブリスを置いていきます。バラストも使います。色の違いは、あとで塗装しますので、気にしなくて構いませんが、「ニュートンの法則」は計算して置きましょう。すなわち、大きな石、重い石ほど遠くへ転がります。
バラスト、石類の固着までの時間を利用して護輪軌条やチョックなどのアクセサリ類をセットしてみました。

【追記】「エルマーグル―」は「艶消しの木工用ボンド」と考えてストラクチャーなどで使いたいところ。地面用には勿体無いので、薄めたボンドで十分、エアブラシの塗装で地面に着色、艶を消した方が良いと思います。















■地面づくりも最後、今回は墨汁と白ラッカーだけで、どこまでリアリスティックな表現ができるか、について述べてみたいと思います。
■左下を見てください。例の木橋です。レール側面はこの段階で細筆で塗装しました。色はトールペイント絵の具のバーント・シェンナです。その後、バフをエアブラシで絞って全体に吹いて土埃で汚れた感じにしました。
■また、木橋の木材へも白(アクリル塗料)でドライブラシすると木材の角が退色した感じがよくでます。
■右の上下の写真はドライブラシによる岩の表現です。
■予めバフとフラット・アースでグラデーションを付けながら塗装後。かなり薄めの墨汁のX20割を流して凹部に陰影をつけます。この時スタイロフォームは表面がアルコール分に反応して若干溶ける様で、これがまた岩のゴツゴツ感を高めてくれます。
■ここで白を筆にとり、一度ティッシュなどでぬぐった後、擦って凸部に色を乗せていくのがドライブラシです。
スタイロフォームは建築用の防音材などに使うもので彫刻がある程度効く、岩の表現ができる等の利点があり、下地としてしか使えない発泡スチロールにない良さがあります。
■ただ、「雷おこし状」のため、つるっとした表面にするためには例えば、プラスターやパテをこすり付けるなどを併用しても面白いと思います。
■これを全面的に使った作例としてはジョン・オルスンのレイアウト「Ferrocarril de Tascosa y Calico」 があります。MR「モデル・レイルローダー誌」に製作記事がでておりますし、「とれいん」208号でも「転勤サイズのレイアウト」として紹介されました。(1998年12月13日記)



【2011年の追記】John Olsonの作例は、スチレンボードの表面の感じを活かして、とてもカッコいいです。アリゾナあたりの赤い土や変わった形の岩、サボテンなどが独特の雰囲気を盛り上げます。アクリル塗料の「フラットアース」の赤みは日本の土ではなく、こういうところがぴったり。地面の色ですが、うちの方は太陽光線を反射して花崗岩質の白くて明るい感じがします。それを関東の人は「白すぎる」と感じるようです。関東から北を想定すると「デッキタン」などのグレー系を混ぜて粘土質を表現すると、自然に見えるかも。
 ところで乗工社のミニランド・シリーズが、とてもよく似合う小さなレイアウト。鉄道名は何て読むのか、前に教えてもらったが忘れた。スペイン語は読めないなー??。